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ロープレやハウツー本が盛んに目につくからでしょうか。どうも最近、顧客への提案や営業は“役者が舞台で芝居を演じる”ように、“顧客の前で演じる”ものだという感覚が強いようです。しかし、特に“高度専門ビジネス”では、提案やクロージングに際して顧客に見られてはいけません。“顧客を見る”のでなければならないのです。間違っても“演者”になってはいけないのです。 |
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【01】叱りにくい部下がいる…? |
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たとえば“叱りやすい”部下を思い出してください。彼(彼女)は、叱られると、たやすく“うなだれる”でしょう。自分の失敗、自分の至らなさ、つまり“自分”を見ているからです。逆に、叱りにくいのはどんなタイプでしょうか。
無関心や無気力な人も叱りにくいですが、叱っていて時々“ドキッ”としてしまうのは、“さめた目でこちらを見ている”人ではないでしょうか。部下のいない方は、配偶者やお子様の“さめた目”を連想してみてください。 |
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【02】叱りにくい部下の強烈な“反撃” |
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“さめた目”でこちらを見る部下、配偶者、子供は、自分に注目していません。『お前はどうなの?』『何を言いたいの?』『どんなつもりで怒っているの?』と、こちら、つまり叱る側を観察しているのです。そして、怒りの言葉の中に、弱点や矛盾を探します。
たとえば『昨日は怒らなかったじゃん!』とか『自分もしてるやんか!』と、先のとがった短い言葉を突き刺してくるということです。その瞬間、指導側は“しどろもどろ”化しないまでも、凍りついてしまうでしょう。彼(彼女)は、その“時”を見逃しません。“さめた目”は、笑いを含んだ“軽蔑の目”に容易に変わるのです。 |
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【03】叱りにくい部下を叱る法 |
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では、そんな彼(彼女)を、どう叱ればよいのでしょう。狡猾な相手には、いつも手を変え品を変えて接する必要がありますが、相互関係が深刻化していないなら、彼(彼女)のしでかした行動を“一緒にふり返る”のが基本でしょう。
失敗した伝票、顧客からのクレームシート、間違った意見書、ミスが指摘されたメモなど、何でもいいですから、彼(彼女)が“説明しなければならない”状況を作ると言うことです。叱る側、つまり指導者側は、その時“観察者”でいられます。『さて、どう説明するのかなあ』と。 |
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【04】契約クロージング現場でも同じ! |
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賢い彼(彼女)なら『これどういうことですか。何が聞きたいのですか』などと、こちらに説明を求めて来ます。まるで裁判で検事と弁護士がやり合うように、“説明責任の押し付け合い”をやるのです。説明責任を負った方が、立場が弱くなるからです。興味のある方は《挙証責任》という法律用語を調べてみてください。
さて、顧客との関係も同じです。昔から、クロージングに長けた提案者は、決して“契約する理由”を説明したりはしていないはずです。いつの間にか、顧客が『契約しない理由』を説明する立場になっている…、そうではないでしょうか? |
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【05】強い立場をとれる“売り手” |
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顧客は『契約しない理由』を探しているうちに、『見つからないなあ。じゃあ契約すればいいじゃん』という気になります。どうしても契約するのが嫌でも『ちょっと考えさせてくれ』と言うのが精いっぱいかも知れません。“売り手”はとても強いのです。
しかも強いだけではなく、説明しようとしている顧客を“観察”できます。異論もあるでしょうが、筆者は『説明しようとして頭を使っている時の人間が最も正直に自分の本質を露呈する』と感じています。そのため、だんだん顧客が何を考え、何を感じているかが“分かる”ようになるのです。 |
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【06】詐欺師のように観察して、天使のようにふるまう? |
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その“分かったこと”を悪用するか、顧客の理解促進のために使うかは、まさに“売り手”の人格に関わることでしょうが、残念ながら“観察”は、その人格の是非にかかわらず、“観察者”にパワーをもたらします。多分“知恵”というのは、何事にかかわらず“両刃の剣”なのでしょう。
だから『詐欺師のように観察して、天使のようにふるまう』のが、知恵を求める人の基本ルールなのです。
つまり、徹底的に相手の弱点を探すほど観察して、その弱点をつかないということです。そして、多分、この世には《本物の天使》がいるのでしょう。この基本ルールを無視すると、遠からず“破滅”がやって来ます…。 |
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【07】“観察”を容易にするツールや事例を持つべき時! |
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ただ、部下でもなければ、ミスをした資料などはありません。パンフレットや提案書では、顧客にこちらを観察されてしまいます。そのために、毎月の定例情報や小冊子など『顧客に考えてもらってその姿を観察できる』ツールをご提供しているのですが、ツールがなくてもできることがあります。
それが“事例を話す”ということなのです。事例の効用や創り方については、CDセミナー化しています。また“事例を核に組み立てる顧客アプローチ・ストーリー”の重要性にも触れた小冊子も作成しています。それぞれの先をリンクしておきますが、その内容を“観察の威力”の観点から、少し見直してみていただきたいのです。 |
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