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“競争力”強化のために自事務所の“強み”を形成する…、特に昨今のような競争激化の環境下では“強み形成は不可欠だ”という指摘に“反論”される方は少ないと思います。それどころか、何とか“自事務所の強みを更に強化したい”と考えていられる先生方も少なくないでしょう。
しかし“強み”とは一体何なのでしょうか。その“本姿”を取り違えると、悩みや努力が、良い実を結ばなくなるかも知れないのです…。
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【01】 ビジネス競争はスポーツほど単純ではない! |
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一般に、事業者の“強み”と言うと、たとえばオリンピックの選手のように捉えられがちです。つまり、100m競争なら“最も速い選手が最も強い”わけだから、競争力強化は“最も足が速くなること”だと考えるわけです。
事務所も、他の事務所に比べ、見識が深いとかサービスが濃いとか、顧問料が安いとか、スタッフが充実しているとか、様々な“比較”ポイントを設定し、他事務所に比べて抜きん出ようとするかも知れません。しかし、一方で、士業界には独特の“感覚”も強いのではないでしょうか。
その“感覚”とは、『別に特段“競争力”など考えなくても、顧問先は獲得(維持)できている』というものです。 そして今、その両方の感覚に、赤信号が灯り始めているようなのです。
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【02】 同業者と比べて“勝者”になったつもりでも… |
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『“競争力など必要ない”という考え方は、危機意識の不足であり、それ自体危険だと言われるのは分かるが、競争力を強化しようとする意欲のどこに“赤信号”が灯るのか』と問われるかも知れません。
結論を急ぐなら、両方とも“危機意識の不足”という点では“同じ土俵の右と左にいる”に過ぎないとも言えるからです。今、その土俵上自体に問題があり、その土俵の右か左かは、大して問題ではないのです。もっと実情に即して捉えて行きましょう。
たとえば、一つの士業事務所が他の事務所より、見識が深いという“ブランド”を獲得したとします。そこで何が起きるでしょうか。
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【03】 勝者は常に“試される”! |
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確かに『見識が深いのだから、顧問料が高いのは当然だ』と言うのは社会常識ですが、顧客は常にこう考えます。つまり『本当に見識が深いのだろうか?』と。そして、士業事務所が『うちは見識が深い』と主張するたびに、『本当?、本当なら証明してよ!』という風に“(関与先の)心は動く”のです。
何も主張しなければ何も求められないのに、“足が速い”と主張しただけで、『じゃあ、走ってみて!』と求められるわけです。競争は望むところだ、と言いたいところですが、事は100m走ほど単純ではありません。そもそも、距離も100mだとは決まっていないのです。
顧問先の要望を満足させるには、持久競争の時も短距離走の時もあります。それは、あたかも、ケースバイケースで、今日は30m走、今日は100m、今日は10kmと、日によって距離が違うようなものです。はたして、あらゆる距離で、勝者になれるでしょうか。
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【04】 顧客の主観で試されることの“恐怖” |
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“見識の深さ”をブランド的に主張すると、顧客に当然試されます。そして、顧客が直面する問題を顧客ペースで投げかけられ、顧客の主観で評価されるわけです。『いや、他の事務所よりもうちは見識が深いのだ』と主張しても、顧客は別に“他の事務所と科学的に適切な比較”を行うわけではありません。全ては顧客の“主観”の中での“勝負”なのです。
しかも、事務所同士が様々に項目を決めて競い合っても、その勝負自体に顧客が興味や理解を示すとは限りません。『うちの事務所は、経営計画スタッフが他に抜きん出て優れている』と言っても、『人事制度が作れる(数少ない)事務所(の一つ)だ』と主張しても、顧客が経営計画や人事制度を必要としていなければ意味がないのです。
意味がないどころか、『ああ、そんなムダな機能を強化しているための顧問料が高いのか。それならわが社は、自分の身の丈に合う士業事務所を見つけなきゃあ!』と思われるかも知れません。
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【05】 競争を考える時には“視点”に注意することが重要! |
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では、『別に特段“競争力”など考えなくても、顧問先は獲得(維持)できている』という事務所はどうなのでしょうか。危機意識が浅く、新たな努力を怠るなら、たぶん、今後の激動の中で、この事務所は急速に苦しくなって行くでしょうが、そうでなければ将来性があるかも知れません。それは“目の付けどころ”が良いからです。
つまり、この事務所は同業者に競争相手として注目するのではなく、顧客に注目しているため、“視点が良い”わけです。同業者といくら競争しても、それが顧客に伝わらなければ、ビジネスとしては意味がありません。また伝わったとしても、その内容が“まさに今契約を(維持)したい先”の期待に沿っていなければならないのです。
多大な犠牲を払って、100m走の準備をしたのに顧客が1kmのレースを求めているなら、競争以前に、その参画を断念しなければならないでしょう。
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【06】 競争力向上の本姿は“客との格闘技に強くなる”こと |
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これが“競争力強化”の落とし穴です。競争力強化の際に、同業者ばかりを見ていたのでは、顧客が求めてもいないレースに“かまけて”しまう結果を生むかも知れません。事実、『なんで、あんなレベルの低い事務所にたくさん顧客が集まるのか』と言いたくなるケースがないでしょうか。
本気で“競争”を考えるなら、同業者間の競争からいったん視点を外し、“別のところ”を見なければなりません。その“別のところ”とは、言うなれば“顧客との競争”に他ならないのです。“競争”というより“格闘”でしょうか。
つまり『本日は1kmレースでお願いします』と言われた時に、『何言ってるの?、今は100m競争が大事で、御社にとっても、それは避けられないことではないか』と言えなければならないということです。それを一言で語るなら、“客との格闘に強くなる”ことが競争力強化の本姿だということです。
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【07】 “問題”と“模範”は一見良く似ている? |
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繰り返しになりますが、『別に特段“競争力”など考えなくても、顧問先は獲得(維持)できている』という事務所が、本当に“顧客との勝負”に自信を持っているなら、今後の事務所のあり方の“模範”となるはずです。しかし、単に“漠然”と安心しているだけなら、将来は暗いでしょう。やはり何事に付け、『模範と問題は、外見上は双子に見えて、中身は正反対』なのかも知れません。
一方で、“問題”と“模範”を混同してしまい、『うちは客を捕まえているから心配ない』という考え方を、“危機意識のなさ”とだけ捉えてしまったのでは、無益な“同業者争い”に目が奪われ、“客との格闘”がお留守になってしまうでしょう。そうなると、確かに“危機意識のなさ”という問題を遠ざけた実感は持ち得ても、“模範的・理想的”な専門業になる可能性まで壊しているかも知れないのです。
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【08】 具体的には“次回”! |
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では、どうするか。それは次回、各業界ごとに考えましょう。ただ、それ以前に、つい最近までの『結果として、付加価値導入に時間も資金も使ったけれど、結局何かが好転したという実感を持てなかった』という感想が繰り返されないことを願うのみです。
詳しくは、次回、ご一緒に考えましょう。 |
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